「司法書士土井節の法律豆知識」15
司法書士 土 井 節
「司法書士の選び方について1」
司法書士の業務もいろいろあります。
代表的なものは不動産登記手続・商業登記手続です。
これらは司法書士業務の中核をなすものですので、経験が少ない司法書士は少ないと考えますが、他の業務を中心に受任している司法書士には不動産登記手続・商業登記手続きに不慣れな方もいらっしゃいます。
その他司法書士の受任する業務として、成年後見業務・訴訟代理業務(訴額制限あり)・訴訟書面作成業務・家事事件書面作成業務・債務整理代理業務(負債額制限あり)・任意交渉代理業務(額制限あり)・遺産承継代理業務(紛争性なし)・相談業務(民事・家事・会社法務)(額制限あり)があります。
これだけ、受任業務範囲があると、すべてに精通している司法書士は少数派ではないでしょうか。
依頼者が司法書士を選ぶ場合に、報酬等費用が安いことのみで、選択すると、後々後悔することにもなりかねません。
手続き依頼前に、有料(8千円程度)であっても面談相談をした上で、よく説明を受けて、納得した上で、司法書士に依頼していただきたいと思います。
今回は依頼前の説明で違いを見分ける方法を説明いたします。
「成年後見事件-後見等開始申立書作成業務」
相談者は何らかの必要(不動産の売却・遺産分割協議等)があって、父や母等の後見等申立書作成を依頼したいと考えて相談にお見えになります。
以下の説明をわかりやすくしていただける司法書士を選択してください。
(1) 親族を後見人等候補者として、後見等開始の申立をしても、専門職が選ばれる可能性があること。その場合に申立の取下げができないこと。
(2) 親族が後見人等に選任されたとしても、管理財産の多寡により、専門職監督人が選任され、報酬が発生すること。
(3) 後見人等は1年に1度家庭裁判所に定期報告をしなければならないこと。
(4) 後見等開始の審判が決定した場合に、必要事項の実行(不動産の売却・遺産分割協議等)のための条件並びに実行の可能性について。
(5) 必要事項の実行が終了したからと言って、原則後見は終了しないこと。
「債務整理-自己破産-破産・免責申立書作成業務」
相談者は借金の額が膨らみ、とても返済できないと思って、破産を希望して、
相談にお見えになります。
以下の説明をわかりやすくしていただける司法書士を選択してください。
(1) 負債額が増加した経緯を聞いてくれる。
(2) 借金の問題は必ず解決方法があること。
(3) 解決方法には任意整理・個人再生・自己破産の方法があり、それぞれのメリット・デメリットの説明をしてくれる。
(4) 受任した場合に、生活再建のために、家計管理が必要であること。
(5) 事案が管財事件(簡易管財事件を含む)になる可能性が高い場合には、弁護士の受任を勧める。
執筆者紹介 終活よろず相談士 M1850BX006
司法書士 土 井 節(ドイタカシ)
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