「司法書士土井節の法律豆知識」10

「司法書士土井節の法律豆知識」10

司法書士 土 井  節

 

 

「家族信託制度のリスク」

家族信託にはメリットもありますが、デメリットもあることは認識してください。又、節税対策として、家族信託契約を検討することはあまりお勧めいたしません。
(1) 公正証書による契約行為の為、一方当事者の意向で変更・取消は不可
(2) 家族信託契約で不利益を受ける推定相続人の訴訟行為
(3) 脱税行為と認定される可能性

「家族信託を検討する前に」

(1) 財産の十分な調査
(2) 推定相続人の調査
(3) 家族全員の将来設計
(4) 推定相続人等利害関係人の調整・同意

「事前プランニングの重要さ」

事前の調査や関係者の意向をよく精査した上で、どのような家族信託プラン
を作成するかの検討が大切になります。
当然に、司法書士のみでプランを立てるのは論外で、税理士等との共同作業は必要であると考えます。

「事前プランニングの検討」

家族信託契約の登場人物は委託者・受託者・受益者ですから、多くても3名、少なければ2名で契約出来ることになります。
但し、契約当事者のみで事前検討をすることはお勧めできません。
当事者でない推定相続人等の遺留分減殺請求権を事実上なくすることもありますので、推定相続人等、利害関係人がはじめは賛成していたとしても、事前プランニングが出来上がった時点で、一緒に説明を受けることが、将来的な紛争予防に
なることを御理解いただきたいと思います。

「家族信託契約までのタイムスケジュール」

(1) 家族信託をしたい目的の明確化。
(2) 当該目的の為、計画する家族信託契約に付随するメリット・デメリットの説明。
(3) 事前調査事項の聞き取り。
(4) 事前プランニングの作成
(5) 事前プランニングの説明・検討
(6) 家族信託プランの修正
(7) 最終家族信託プラン
(8) 公正証書による家族信託契約書・遺言書の作成
(9) 家族信託契約書に基づく不動産登記手続き


執筆者紹介  終活よろず相談士 M1850BX006
司法書士 土 井  節(ドイ タカシ)
事務所 東京都港区芝大門2丁目12番3号 芝柳生ビル
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